「もののけ姫」考察!宮崎監督が表現したかったことな何か?

世界的にも注目を浴びるほどの大作となった「もののけ姫」。

それだけ多くの人に認められるということは、メッセージ性が強く、与えるものが明確に伝わっている証拠。

宮崎監督は、「もののけ姫」を通して何が伝えたかったのでしょうか?


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宮崎監督は、表現者でありアーティストです。

表現者というのは、必ず何かを伝えたくて、それを形にしたり音にしたり色にしたりして、表すものです。

この「もののけ姫」という作品も、宮崎監督が心の奥底で長い間眠らせていた思いが形となったもの。

私たちに、一体どのようなことを伝え、感じて欲しかったのでしょうか?

自然と人間との共存?

作品を一度見た時の感想は、やはり自然破壊や人間の愚かさだけが目に映るでしょう。

文明が栄え、自然を滅ぼして、もっと豊かになろうとする人間たち。

しかし、神という本来は見えないはずの存在に、逆に滅ぼされそうになってしまう。

単純に見てしまえば、それくらいのところはつかめるでしょう。

ですが、「もののけ姫」という作品は、かなり奥深く、心に突き刺さる作品だと私は感じています。

戦うことの愚かさを知る

作品を見て、大きな枠組みで見ていくと、憎しみが憎しみを呼んで、戦いがどんどん大きな規模へと発展していきます。

これを誰かが止めなければ、さらに恨みや憎しみを増幅してしまう。

そんな思いから、アシタカは戦わずに済む道はないのかと走ります。

最終的には、やはりその戦いは止められず、滅びる寸前のところまで進んでしまいます。

客観的視点から見れば、これほど愚かなことはないでしょう。

人間は戦って奪うことをやめず、山の神でさえもその挑発にのってしまう。

最終的に、命を司るシシ神の洗礼を受けて、初めて目が覚める。

そして、アシタカでさえもその渦中にいたことを反省させられたことでしょう。

これは、第二次世界大戦で戦った日本国、戦後の世で働く社会人、平和だと言われる現代を生きる人たち。

いつの時代も、どこの場所でも同様のことが起こっています。

作品を通して、そのことに気付けるのかどうかです。

日本の長い歴史を見ていくと、文明が栄えると、やがてそれが傲りとなって、天災や厄災によって滅びる、とういことを繰り返しています。

これは、私たち日本人だからこそ、大切にしていきた思いであり、監督はそう表現したかったのではないでしょうか?

誰もが自分と戦っている

作品を見ていくと、それぞれの立場でそれぞれのドラマがあります。

人間だけが悪いわけではない。

神々が正しいわけでもない。

アシタカ、サン、エボシ、モロ。

それぞれ心に傷を抱えて生き、敵と戦っているように見えても、結局は自分の運命と闘っているだけ。

私たちの日常の中でも、似たようなことは沢山ある。

学校、会社、友達、家族。

他人を攻撃したり、咎めたり、敵意を持つということは、心の中に闇を抱え、何かを恨みながら生きているということ。

しかし、それがどれだけ苦しくても、外側の世界に向けていては、さらに恨みと憎しみを広げていくだけ。

辛くても苦しくても、どうしたらみんなが平和に笑顔で過ごせるのかどうかを考え、他者を傷つけないこと。

アシタカは争わずに済む生き方、共に生きることをずっと言い続けています。

これは、それぞれの価値観や、意見を尊重し、他者の領域にまで介入してはいけないということでしょう。

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多くを欲しがる心は我が身を滅ぼす

エボシは、タタラ場の人たちから見れば英雄的存在です。

だからといって、森を焼き払っていいというわけではない。

エボシは、人を救って守るという大義名分を掲げながら、それを後ろ盾に侵略行為を働いているだけ。

これは、間違いなく争いを生み出す行為で、サンやモロたちの心を刺激してしまうのも当然。

特に、深く傷ついているサンがいるからなおさらのこと。

エボシも悲しい過去を背負った身だが、だからこそ恨みを抱えて生きるのではなく、他者の気持ちを理解できる人にならなければいけない。

現代社会の、いじめやDVを受けた人が、後にどう生きるのかという構図と似ている。

されたから、自分もする。

ではなく、されたのなら、傷ついている人たちの気持ちを察して、大切にしていかなければいけない。

作品を通して、そういったことを学ばせてくれます。

日本古来の文化の真意を知る

「もののけ姫」という作品は、もちろん架空のキャラクターたちばかり。

しかし、そのモチーフとなっているのは、日本が古くから重んじてきた文化。

人はなぜ、神様という存在を生み出したのか?

神道の意味。

戦いを避ける意味。

怒りを鎮める意味。

私たちの生活の中で、取り巻いているもの全て、自分の行いが返ってくるようになっています。

ただそれだけのこと。

もののけ姫という作品は、スケールが大きく見えているものの、深く読み取っていけば、最終的にはとても単純な答えが導き出せます。

昔から、神様に抗うと天罰を受けると言われています。

いかなる理由があっても、他者を傷つけてはいけない。

あるもの全てに感謝をし、足りていることに満足する。

もっともっとという傲りを取り払い、互いに譲り合って生きる。

もののけ姫は、日本人がこの狭い島国で生み出した文化の大切さを、見事に表現した作品です。

感じ方はその人の経験で決まる

表現者の残した作品を通して、何を感じるのかはその人の経験によって決まるもの。

正解はひとつではありません。

見る人の、年齢、知識、経験、環境、心情によって、全て違って聞こえ、違って見えるもの。

宮崎監督の想いが、どこまで伝わるのかは、受け取り手によって決まります。

高畑勲さんも、「伝える」ではなくて「伝わる」だと言っています。

あなたは、あなたの中にある価値観で見て、聞いて、感じて、その時の正解を自分で導き出しましょう。

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